横浜という都市の魅力
横浜という都市の魅力は、他の都市とは少し違った異国情緒漂う街並みにあります。
その景観をつくり出している一つに、特徴ある西洋風の建物、すなわち近代建築があげられます。
一見、何の変哲もないような現代的な通りに、突如としてあらわれる英国調のレンガ建築、クラシックな銀行建築、多様な意匠の教会建築、そして建物の間にひっそりと残る旧外国人居留地の遺構など、それらを訪ねることにより、横浜での思い出がさらに印象深いものとなることでしょう。
横浜は近代建築の宝庫
横浜は1859(安政6)年の開港以来、世界に開かれた港町として、それにふさわしい西洋風の建築が数多く建てられました。
そのような中で、著名な建築家たちは腕を競うように、日本の玄関にふさわしい見事な建物を手がけました。
残念ながら初期の建物の多くは、1923(大正12)年の関東大震災で損壊してしまいましたが、それでも震災を生き延びたクラシカルな明治・大正期の建物や、震災復興期に建てられた戦前の華やかなアール・デコ調の建物、戦後から高度成長期の昭和モダニズム建築、さらには現代のポスト・モダンな最新建築など、各時代を代表する美しい建物が街を彩っています。
代表的な建物には、大正から昭和初期に建てられ横浜三塔と総称される、神奈川県庁本庁舎(キング)・横浜税関(クイーン)・横浜市開港記念会館(ジャック)があります。
近代建築は歴史の証人
それらの近代建築は国際港湾都市・横浜の歩みとともに作られ、歴史の証人とも言える貴重な存在なのです。
それぞれの建築は見た目の美しさといった外観だけではなく、その時代背景、その建設に関わった人々の思い、それを舞台に繰り広げられた数々の興味深い物語を持っています。
それらを知ることによって、何気なく見ていた建築と周囲の街の景色が、ますます輝きを持ったものとして見えてくることでしょう。
建築を巡り街の記憶をたどる
横浜の名建築の多くは港の近く、関内と言われた地区にあり、歩いて回るのにほどよい距離で存在しています。
それぞれの建築を見るだけではなく、建築を巡りながら通りを歩くことにより、秘められた街の記憶をひも解くことができます。
点在する鉄道や港湾施設などの産業遺産、日本大通りや山下公園などの公共空間、そして旧外国人居留地の遺構などの街に残された痕跡を丁寧につなぎ、読み解いていくことによって、今では見ることのできない、ありし日の横浜の光景が浮かび上がってくることでしょう。
ご興味のある方はぜひこのページの下部にある「横浜建築ツアー」をご覧ください。