こんにちは、Akiです。
建築好き通訳ガイドの視点から、建物の魅力について紹介しています。
今回は、最近読んだ建築本をご紹介します。それぞれ、東京(日本橋)、横浜、沖縄の建築を紹介した本です。
どの本も写真が多く、見て読んで楽しめることはもちろん、マップも付いているので建築鑑賞のお供に持ち歩くのにも便利です。
目次
「装飾をひもとく 日本橋の建築・再発見」 (青幻舎) 五十嵐太郎、菅野裕子
★★★★☆
建築の専門家ではなく、一般向けに西洋古典主義様式の意匠について解説した数少ない本です。
東京・日本橋にある日本銀行本店、三井本館、高島屋など、実際に見られる建物の意匠について、写真や図を豊富に使った説明がわかりやすいです。
写真や図が多い反面、テキスト量が少ないので、それぞれの意匠・デザインの説明が少し物足りなく感じるところもあります。
日本橋にある建築だけではなく、西洋建築全般について、その鑑賞をより楽しくさせてくれる本です。
「横浜の名建築をめぐる旅」(エクスナレッジ) 菅野裕子、恩田陸
★★★★☆
横浜の近代建築から、32の建物を選んで写真を多用して、見るべきポイントを解説した本です。ほとんどが有名建築ですが、一般にはあまり知られていない名建築も含まれています。
細かい意匠を対象にした写真も多く、気がつきにくいところも多く知ることができ、写真を撮る際のアングルなども参考になります。
建築家などの情報は省略し、建築を見て感じる、楽しみ方に重点を置いたとのことで、解説のテキスト量は最少限といったところです。
意匠の説明には専門用語が解説なく使われているので、一般にはわかりにくいかなと思われるところもありますが、写真を見るだけで楽しく、実物の建築を見に行きたくなります。
横浜の建築を紹介した本は意外と少ないので、貴重な本といえるでしょう。
「沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶」(トゥーヴァージンズ) 岡本尚文、普久原朝充
★★★★★
タイトルに「島建築」とあるように、決して有名な建築を紹介したものではなく、沖縄の風土や人々と深く結びついた建物を対象にした本です。
沖縄の気候、風土、歴史、信仰などが、どのように建物に影響しているのか、特に民家や住宅について図を多用した解説があり、沖縄の建物の特徴について、理解を深めることができます。
紹介されている建物は、有名建築家の手によるいわゆる名建築ではなく、沖縄の人たちが長年使用し、親しんできたものばかりです。さらにそのオーナーや関わった人々との、インタビューの物語性に引き込まれます。
建物を通して、沖縄の人たちの日常や生活感を身近に感じることができ、沖縄に行きたい気持ちが高まります。
巻末には有名建築を含めた建築ツアーマップもあり、この本を手に沖縄の建築を巡りたい思いが強くなる本です。