こんにちは、Akiです。
新型コロナウィルスは、ツーリズムにも大きな影響を与えました。私の場合もインバウンドのお客様は、2020年の3月以降ゼロが続いています。
一方、ここにきて世界的なワクチン接種の進展により明るい兆しも見えてきています。特に米国では夏に向けて国内旅行需要が増加しているようで、国外旅行も2022年から回復するという見立てもあります。
実際、私も最近は海外のお客様から、「来年の春に日本旅行を計画しているけどガイドできますか?」という問い合わせをいただくようになりました。
しかし、どのような回復の仕方になるのかはまだよくわかりません。
おそらくは、急速にコロナ以前に戻るのではなく、ゆるやかに、段階的に戻ってくるのではないかと思われます。
そしてまずは、家族や親しい友人同士の、少人数での旅行になるのかなと推測しています。
通訳ガイドとしても、従来と同じようなスタイルのガイディングではなく、新しい時代に応じて変化していく必要性を感じています。
まずコロナ禍により、人々の衛生観念は大きく変化したと思われます。
海外からのお客様にとっては、現地(日本)の衛生事情や、守るべきルール・慣習などがとても気になるところでしょうから、ガイドとしては案内先で適切に対応できるよう、あらかじめ調査・準備しておく必要があります。
また、新型コロナの大流行は、私たちの住む社会と自然環境のかかわりについて、意識を向ける大きなきっかけになったと思います。
持続可能な社会・経済活動への注目度が高まり、言葉だけが先行してきた感のあるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に対する社会や企業の取り組みも、現実味を帯びてきているように見えます。
旅行においても、現地の社会・環境・経済へ配慮する、いわゆる持続可能なサスティナブル・ツーリズムへの意識が、特に欧米のお客様の間で高まっているようです。
コロナ以前に問題となったオーバーツーリズム、つまり観光客数の過度な増加による地域への悪影響といったものは、お客様にも受け入れられなくなるのではないでしょうか。
これからは少人数での持続可能なツアー、すなわち環境にやさしい交通手段の使用、地域性に深く結びついた文化の紹介、地元の食材を使う料理店への案内など、環境や地域の人々を考慮したツーリズムにスポットがあたるのではないかと思います。
それが結局は、お客様にその地域・コミュニティとのつながりを深く感じていただき、記憶に残る旅行につながることでしょう。
私は観光用に演出されたものだけではなく、できるだけ本物を見て触れて感じていただきたいという思いから、団体グループのガイドは行わず、カップルや家族など、少人数のグループのガイドのみ行ってきました。
これからツーリズムの回復に向けて、何が求められるのかを考えながら、準備していきたいと考えています。